「・・・・え?な・・・っ!!」
僕が目を見開くと、2人はニヤッとした。
「あぁ~、そっか、大輝クン、女子には
優しい草食系男子で通ってるもんね?」
「それをまさか大好きなほのかちゃんに
本性見られちゃうとはねェ~?」
2人の言葉に顔が真っ赤になった。
「・・・・っ、最・・っ悪だ!!」
頭を抱えて壁にもたれると、
背中がヒンヤリとした。
・・・そうなのだ。僕は女子と
話さないし、話す時は宿題を教える時
とか落とした物を拾って渡す時ぐらい。
そんな風にしていたら、
『中村君は紳士で優しい男の子』
みたいな誤解をされてしまったのだ。
「なんで湊も見せるの~・・・・」
壁にもたれたままズルズルと床に
落ちる。
「おもしろそうだったから」
即答かよ。
「・・も、帰る・・・。
・・・間違えた、バイト行く・・」
のそっと立って、ドアへ向かう。
「Sのクセに元気無いなぁ」
浩太が僕の頭をなでた。
「Sっ子は打たれ弱いの。突然の襲激は
ダメなのハートはガラス製なの」
「意味分かんないよ、ソレ」
湊に言われ、自分でも思った。
「も~どーでもいい。僕は終わった」
タメ息をつくと、
「気にすんなって!!俺等がいるだろっ」
なぐさめてくれる浩太。僕は微笑んだ。
「・・・ありがとう、こーた・・。
熱射病で倒れる事を祈ってるよ。
がんばってね」
僕は笑顔で去った。浩太呆然。
「・・・がんばれって・・・
サッカーと熱射病、どっち?」

