廊下を走って行く背中を見つめ、


「傷口開いても知らんぞー」



と、浩太は小さく笑った。


「大輝、変わってないね」



湊の言葉に、浩太はうなずく。


「な。・・・真剣な時、

 『ほのか』って呼ぶとこ、

 自分のこと、『俺』って言うとこ。

 ・・サッカーしてた時から思ってたけど、
 自分の体を全然かえりみないとこ・・」



「困った奴ですねー?」



「ねー、まったくだ。

 ・・・まぁ、青春ってヤツじゃねーの」



困ったように、けれど優しく笑う浩太に、


湊も自然と笑顔になった。



「若いねー、いいねー」



「っあぁぁぁー、彼女欲しぃーっ!!!!
 俺もラブラブしたいっっ!!」




バタバタと机ごと揺れる浩太。



湊はフッと微笑んだ。



「オレじゃダメかな・・・・

 なんて、
 言おうとしたけどそんなことしてる
 俺と浩太を想像したら、
 吐きそうになったのでやめとくよ」





「励ましたいのか罵りたいのかどっちだ」