「・・ごめん、いきなり教室出て。
女子追い払ってきた」
その時、湊が教室に入って言った。
僕は未だ、考えがぐるぐる渦を巻く。
「だから聞こえなくなったのか。
何て言ったん??」
浩太の問いに、湊はニッコリ笑った。
「飯がマズくなんだろ。
不愉快だ、消え失せろ。って」
空気が凍った。
僕と浩太なんか、もう永久凍土だ。
「お、俺、誰が一番怖いかわかったよ・・」
浩太がガクガクしながら言う。
・・・湊、前よりパワーアップしたな・・。
湊の天使の笑顔が悪魔の嗤いに見えます。
そんな事を思いながら、
僕の胸には何かがひっかかっていた。

