3人しかいない教室は、簡単に静まり返った。



その後も聞こえてくる美吉への蔭口。



僕は驚きを隠せずにいた。



「な、何で美吉が悪口言われてんの?
 そんな悪いトコなんて・・」


僕の言葉に、湊は席を離れ、
浩太は気分悪そうに言った。


「大輝知らねぇかぁ・・。
 美吉さ、可愛くて、性格良くて、
 頭良くて、人気あって。

 そんな完璧女子じゃん??」



「うん・・・」



僕はドキドキしながら聞いていた。








「だからさ・・1部の女子に妬まれてんだよ」







・・・・何だ、ソレ・・・・・。





「え・・、美吉は気付いてんの?」




いつの間にか、廊下からの声は消えていた。

浩太は気マズそうに頬をかいた。




「・・・まぁ、な・・」





浩太の言葉に、僕は愕然とした。






じゃあ、美吉は。


あんな、複雑で居場所のない家でも。
逃げ場の学校でも。




1人で、頑張ってたってこと・・?