「髪、寝グセついてるよ」


「・・・え・・っ」


小さな笑い声に振り向けば、
微笑む美吉がいた。


ぅわ・・、昨日のことが・・・


赤い顔でドキドキする僕の髪に、
美吉の手が優しく触れた。


━・・ドッと心臓が、高鳴った・・。




「ほら、ココ!
 ちゃんと直さなきゃぁ~」



クスクス笑う美吉にドキドキしながら、
僕はお礼を言った。


「あ、ありがとう」



すると美吉は微笑んで、
小さな声で言った。



「昨日は、ありがと」



そして席に戻る彼女の後ろ姿を
見つめ、僕は机に頭をのせた。


・・・よかった・・。
いつもの美吉にもどってるや。


「え、ちょ、仲良くなってんじゃん!
 ぬけがけかコノヤロー!!!!」



浩太が僕をガックガック揺らす。


「・・・・・」



僕の脳は今、ダッシュのおかげで
酸素を猛烈に欲しがっているワケで。


それを揺らされたら、




   迷惑不愉快極まりない。




「ウゼェよっ☆」


「う・・っ!!!!」



浩太に腹パンチをお見舞いした。