「・・!!」
見上げた先には、人差し指を口に当て、
小声で「しー」と呟く美吉がいた。
「今日のお礼だよ」
そう言って微笑み、友達の方へ走って行く。
・・・・・え?
僕は手に持っているジュースを
まじまじと見た。
・・じゃぁ、コレ、美吉は僕のために?
そう思った瞬間、カアッと顔が赤くなった。
・・うわ・・。こんだけで赤くなるなよ・・
多分僕は、女子とほとんど話さなくて、
いきなり好きな人からこんな事をされる
免疫がついてないんだろう・・・。
伏せていた顔を上げ、もう1度ジュースと
友達と笑い合う美吉を見た。
・・・・今日の僕は、ついてる。
・・・・・・気がする。
なんか、胸の奥がむずむずして、
こそばゆい。
・・・・・でも、
それさえも、心地よくて。
どんだけオトメなんだよと、
ツッコミたくもなるけど。
・・ただ純粋に、嬉しかった・・。
「・・家宝にしよう・・」
そう呟いた僕に、一部始終を見ていた
湊がツッコむ。
「え、いや、150円だよソレ」

