「この清道中にも、また新たな―」
原稿とにらめっこしながら必死に
お祝いのスピーチを述べる。
その校長先生の声が講堂中を響かせる。
いまは入学式の真っ只中。
校長が熱く熱弁しているところ。
あまりの眠たさに講堂のいすで寝そうに
なってしまった。
なぜか生徒数が多いのに、この学校は
2,3年も入学式に参加させられる。
ボーっとしていると、もう入学式は
終了。
「はやっ!!!」
やばいなぁ。つい声が出る。
いつものことだけど。
天然とか言われたこともあるし
計算高いといわれたこともある。
どっちも出来るってことか。
いつの間にか新任式も終わってて
気がついたら講堂からは生徒達が
ぞろぞろと出ていっていた。
後から聞いた話によると
私はあの講堂の気持ちのいい椅子で
爆睡していたらしい。
先生は気付いてないらしいからよかった。
