ボコッ!

いきなり鈍い音が鳴る。
私は思わず目をつぶってしまった。

一瞬沈黙になる。

私は恐る恐る目を開けた。

私は体が凍った。

背中に寒気がする。

健が口から血を流し額が切れている。

『健!』

私は凍った体を精一杯動かしながら健の元へ走った。

『健!!』

私はもう1度名前を呼ぶ。

「痛…!」

健は身動きが出来ないまま額を押さえていた。

『彩!救急車!』

私は彩に声をかける。

『………』

でも彩はまばたきもせずにその場に立ち尽くしていた。

「ゥゥ…」

その間に健の額からはもっと血が流れた。