「へぇ…そっか…」

和紀は悔しかったのか声が震えていた。

苦しいよね…。

悲しいよね…。

私は和紀の手を力強く握りしめた。



『じゃあ私こっちだから…』

私は和紀にバイバイをして帰る方向に振り返った。

「待って!家…わかんねぇ…」

和紀がボソッと呟いた。
私はこの場で固まる。

『冗談はやめてよ…家は覚えてるでしょ…』

私は苦笑いをしながら和紀に聞いた。

「ゴメン…まじなんだ…」

『そっか…じゃあ…送るよ!』

私は和紀の手を引っ張って和紀の家までの道のりを歩いた。

和紀ん家は何回も行っているからわかる。