見ると『彩』と表示されていた。

『もしもし…彩ぁぁ!』
『美佐!どした?』

『あのね…』

『あっ!待って!彩めっちゃ嬉しい事があってん!』

『えっ…』

私は彩の言葉に驚いた。
『あのね!健とうまくいったんだ!何か告白したら俺もお前の事が好きだって!』

何言ってるの?

だって…啓先輩と別れて…新しい恋をして…もうその恋が実った…。

ネェ…何で彩は何でも早くうまくいくの?

あぁ…。

私だけがうまくいかないのか…。

『お~い!美佐!』

私は彩の声で我に返る。
『何でェェ?何でみんなうまくいくのォォ?』