不安だった。 あたしもあんな仮面人形のようになってしまうのか…。 そう思うと悲しくて。 兄に 悲しくて。 あたし以外誰も気づかない兄の仮面。 だけど その効果はてきめんだった。 いつしかヘラヘラ笑うだけの兄を 親戚中が諦め始めていた。 それに、ノリも良く、調子も良い兄は、叔父達に可愛がられるようになり いつしか不満の矛先は 全てあたしに向けられるようになっていた――…