兄はグレるわけでも、引きこもりになるわけでも無かった。

ただ、感情のない人形のように

笑顔のような仮面を張り付け、ヘラヘラと愛想を振り撒くようになった。

ヘラヘラ
ヘラヘラ

本当の意味で笑うこともなければ

泣くこともしない兄。


あたしは、兄が壊れて行くのを1番間近で見ていたんだ――…