抱きつく優木は それを聞いてスッと離れた。 あたしも即座に朝食を済ませる。 「じゃ、行ってきまぁす」 カバンを持ってあたしは玄関の扉を開ける。 優木も学校だから、 優木の方が帰り早いのかな? そう思ったあたしは、 「帰りにお土産買ってくるね」 と言って家を出た。 実際いつも家事してくれてるし 感謝の気持ちくらいは お返ししないとね。 優木は笑顔で、 アパートの廊下から手を振っていた。 「この電車乗ればすぐに着く…」 独り言を駅のホームで呟いていると… 「あれ?中野さん?」