【短】Through バレンタイン




ぽかんとしている私の目の前に、神楽がしゃがむ。


驚いて、私はぺたんと座り込んでしまった。





「……かぐ…」


「それ、俺にだろ?」


「え…?」


「違うのか?俺はそうだと思ってたんだけど」




そう言いながら、目線を私が持つチョコレートに移す。




ちょ…


ちょっと、待って。



頭がついていかない。



まず、



この心臓のドキドキをどうにかしてーーー!!!









「違わ…ないけど……」


「じゃあ、早く渡せよ」


「……へ?あ…はい」




言われるがまま、神楽にチョコを渡す。
















「……ずっと、待ってた」







チョコを受け取った神楽が、ぽつりとこぼした。