【短】Through バレンタイン




幻聴かと思った。



だって…


ずっと聞きたかった声が、すぐ後ろから聞こえてきたのだから――




私は、目を見開き、


ゆっくり…時間をかけて振り向いた。






「……かぐ…ら…?」




信じられない。


そこにいたのは、間違いなく神楽 零斗。




「神楽が…なんで…ここ……に…」




小学5年生ときから、確実に成長し、大人びた顔立ちをしていた。







「そこ、俺の靴箱だし。」


「……あ…」




そうか。



神楽は今 帰るところで、自分の靴があるここに来ただけなんだ……



え?


でも、さっき……








「…なんて、嘘だけど」