テンパりすぎて、会話になってないね、私たち。



「涼ちゃん、明日からまた練習だね。」

「はぁ…だなぁ。」

「私ね、涼ちゃんとキス…するのが嫌とかじゃないけど、今は走ってる姿を見ていられるだけで幸せなんだよね。」

「そっか。…確かに今の俺たちはそんな風って感じじゃねーよな。けど、…今のは蜜菜が悪い。」



はいはい。ごめんね、涼ちゃん。

思わずだって言いたいのね。



「帰ろうか。」

「そうだな。」



涼ちゃんと、また手を繋いで歩いた。まだまだウブな私たち。



「よし、あそこまで競争!」

「え!勝てるわけないじゃん!」





真っ赤な夕日が、私たちのうしろで静かに海に沈んだ。



END