「俺じゃ力になれないか?」





……ダメ。
優しくしないでほしい。



けど、その優しさが嬉しかったりとか、自分の気持ちはぐちゃぐちゃしていた。





「違う…よ。」



「蜜菜、中学入ったら変わったよな。…俺には何も話さなくなった。
俺のこと嫌いになった?」





…違う。そんなはずない。



ただ、私が純粋に幼なじみでいられなくなっただけ。

…そんなこと、言えるはずない。





「俺、蜜菜のこと好きだ。
ずっと…。いつからとか分からないくらい前から。
幼なじみじゃなくて、彼女になってくれたらって思ってた。」





どう、治也に話そうかと考えていたら、そう言われて、私の思考回路はショートした。





「って、言われても蜜菜は困っちゃうよな。」





そんなはずないじゃん。

私も、治也が幼なじみじゃなくて彼氏になってほしいって思っていたんだから。





「私も…治也に彼氏になってほしいよ。」






そう言ったら、治也は一瞬驚いた顔を見せて、ギュッてしてくれた。






これが、私と治也の交際の始まりだったの。