「なんか飲む?」





頷いたら、涼ちゃんは自販機からお茶を買ってきてくれた。



…涼ちゃんって、尽くすタイプ?





「ありがとう。お金、払うね。」



「いいよ、別に。」



「涼ちゃん、バイトしてるわけじゃないんでしょ?
自分の分は払うよ。」



「わかった。」





うん、尽くすタイプっていうよりも、試行錯誤しているのかもしれないね。





「涼ちゃん、おもしろい。」



「だってさ~。」



「いつも通りでいてくれればそれでいいの。」



「…そうなんだ?」



「そ、特別なことをしてほしいから付き合うわけじゃないもん。」



「なるほどな。」





なんかおかしくて、私と涼ちゃんはクスクスと笑った。





「で、いきなりで悪いけど…聞いてほしい話って?」





「あぁ、うん。
中学生の頃の話なんだけどね…」





あの頃のことは、きっと



一生忘れない。



……忘れられない。