その日の部活は、いつもと気分が違ってた。

けど、お互いにいつも通り。



別に、部員のみんなにアピールする必要もない。
まだ…涼ちゃんときちんと話をしたわけじゃないし。





「佐藤さん、ジャージ置いといてもらえるかな。」



「は-い。」



「…ねぇ、佐藤さん。
もしも、何かあったら俺に言ってきてよ。殴っとく。」



「えぇ!?…聞いたんだ?」



「俺には、最初に言っておくってさ。」



「おい、拓馬。佐藤に余計なことぬかすなよ?」



「おぉ、怖っ。」





いつも通り。

けど、やっぱりいつもとは違う会話があって、それが嬉しい。

きっと、涼ちゃんもだよね。
いつもよりもスピードがのってるみたい。





「鈴木くん、絶好調じゃん。」





智美にも言われた。

やっぱりそうだよね。
私が言うのもどうかと思うけど、けっこう単純なんだね。





───……

部活が終わって、私は健人先輩と後藤先輩といつも通り帰る。



けど、帰りぎわに、涼ちゃんがさりげなく手を振ってくれて、自分たちの初々しさに笑ってしまった。





「なんだ、蜜菜。気持ち悪。」



「みっつ-な、いいことあったみたいだねぇ♪」





私って……どうしても思ったことが顔に出ちゃう。
直したいな、それ。





帰り道、健人先輩の尋問にあったけど…頑張って乗り切った。

後藤先輩も助けてくれたし。





後藤先輩は、……すべてを知ってるみたいな気がした。