考えさせて、と言った涼ちゃん。



きっとダメだろう、と思いながらどこかで淡い期待を持ったまま時間は過ぎた。





返事が来たのは夜遅く。
午後10時を回ったころだった。





『考えさせて、とか言って
 待たせて悪かった。

 俺も佐藤のこと好きだ。
 こんな俺でよかったらよ
 ろしくっす。』










嘘……。



しばらく、ケータイを持ったまま固まってしまった。



これは、うまくいった…ってことなんだよ…ね?





私は夢のなかにいるような感覚になって、ふわふわしちゃってる。





と、とりあえず…

ゆかりに報告をしないと。





「なぁに、蜜菜?
突然電話してきて。」




「ごめん、けど…聞いてほしい話をしたくて…。」




「は?日本語変だけど。」




「…私、涼ちゃんの彼女になれたみたい。」




「嘘!まじ!?」




「……まじです。」





というか、私とゆかりのテンションの差が…激しい。





「おめでとう!
私…やっと安心できる。きっと、花田くんもそう言ってる。」




「ありがとう、ゆかり。」




「私、すごく嬉しい!
……って言った後に悪いけど、鈴木くんには花田くんの話したの?」




「してないよ?」




「私…したほうがいいと思うよ。鈴木くんなら大丈夫な気がするから。
まぁ、それは蜜菜の自由だけど。ステキな恋愛してね。」




「ありがとう。
急にごめんなさい。」




「ぜんぜん平気。またね。」