涼ちゃんはそれだけ言って、走りに行った。



走る君は、誰よりもすてき。



なにより、走り終わったあとの楽しそうな笑顔が好きなんだ。

あと少ししたらシーズンだね。
選手よりも、私は楽しみにしてるんだよね。





「蜜菜、計って。」



「はい。」





健人先輩は、遅れて来ても怒らないでいてくれるし、仕事もくれる。





「10分…でいいや。」



「わかりました。」





健人先輩に頼まれた仕事をしながらも、私は涼ちゃんを目で追う。

白い息を吐きながら、走ってて…目が離せなくなりそう。



けど、マネージャーの仕事でなんとか乗り切った。





「みっつ-な♪」



「お疲れさまです。」





気がついたら、後藤先輩がすぐ横に立っていた。





「なにか?」



「いや、みっつ-なは最近可愛くなったなって思って。」



「そうですか?」



「うん、もともと可愛いけど…最近は芯の強さを手に入れたみたいな感じ。」



「…ありがとうございます。」



「いい恋してる証拠だね。
俺は…みっつ-なを応援してるから頑張ってな。」





…後藤先輩には全てバレているのかもしれない。





「ありがとうございます。」