新年早々、好きな娘にフラレた男は…きっと俺だけ。

それは自信あるよ。





電話越し、佐藤さんはしばらく黙ったままでいて、俺がなんか言うべきだったんだろうけど、俺も黙ったまま。

しばらく、気まずい沈黙が続いてしまった。



俺は、どうにかしたかった。





「…佐藤さん、そんなこと言われても困るよね。」



「あ、いや…なんていうの?
ビックリしたっていうか、なんていうか…。」





ごめん、と思った。
佐藤さんを困らせたかったわけじゃなかったんだ。





「でも、なんとなく俺の気持ち気付いてなかった?」



「え?う-…ん、いや?」





…そうなんだ。

実際、嘘かどうかは分からなかったけど、そう言うなら信じよう。





「…拓馬?」



「ん?」





フラれるんだろうな。

そう思って、ケータイを耳に当てたまま目を閉じた。





「私…、拓馬は友達としてしか見れない。ごめんね。」





覚悟していても、胸に、グサリと言葉はささった。





「…うん、わかってた。」



「……。」





もう、これ以上話していたら俺は佐藤さんを傷つけることを言いそうだった。





「正月なのにごめん。
……じゃあ、切るな。」



「……うん。」





プープープープー……。