正実と教室の前にいるのも不自然だから図書室に行く事にした
正実は笑いながら

「もうドッキドキだったよ~やっぱりかっこいいよね」

なんて言ってるがその笑顔はなんだか寂しそう…
恋は実らないと切ないもんだね…
私はそう思った

「正実は諦めないの?」

図書室に入り小声で正実に聞いた

「友達に戻れたらなって思ってる!多分…絶対無理だろうけど」

そんな寂しい事を言わないでよ…

私はそれを口に出せなかった。気休めの言葉はもういいんじゃないかなって思って…

図書室は静かで喋りにくい…正実はおもむろに本を手にし読んでいた
私は漢字が苦手だから簡単そうな本を探しに席を立った
図書室の窓からはグラウンドが見える
外で元気にサッカーをしてる人たちがいた

楽しそう…

知らない間に顔が笑ってた
そんな私に気付いた正実が寄ってきて

「何見て笑ってんの?…あ~真くんたちかぁ~楽しそうだね」

そう言った
あっ…真くんたちだったんだ…あんまり顔がはっきり見えないから分からなかった
あの子はいつも楽しそうだな。あんなふうに友達と遊んでる時の真くんはまるで子犬みたい
翠ともいつかそんなふうに笑える仲になるといいね