恋心

いつもお母さんが作ってくれるお弁当。お母さんの料理はいつも美味しい。でも思春期故の毛嫌いでそんなかわいくない事を言ってしまった

そんな私に野田くんは１個のパンを差し出し

「オニギリ１個と交換しよ！」

そう言った。私は一瞬迷った。もし真奈美ちゃんの友達がこんなとこ見てたら…どう思うだろ…

そんな事を考えてると

「タケ、翠のオニギリどうぞ～」

と明るい声がした
翠は真奈美ちゃんとの事を知っている。そして今私がその事を考えてたのが分かったんだ
私に目配せして野田くんにお弁当箱を差し出した
野田くんは変な笑い方をして翠のオニギリを１つ取った
今はその笑い方が気になるより翠の気づかいに感謝する方が先だった

本当にありがとう。翠は何だかんだでそういう気配りはすごくできる方だ。そういう翠といるととても居心地がいい


正実はすごく居心地悪そう…そんな正実には気付かないのかな？お構い無しで宮原くんと楽しそうに話している
私はさっさとお弁当を終わらし、正実を連れて廊下にでた
正実はホッとしたように笑ってる
やっぱりあんな近くにいるのは嫌だよね。いくら好きな人でも…