ふと部屋の窓から見えた光景

庭に佇む奈々だった

だが様子がおかしい

「奈々!?」

俺は羽を広げてテラスから降りた。

続いて兄上達も降りてくる。

「奈々!?探したよ・・・」

そう言うと奈々はゆっくり振り向いた。

その目には正気がなくて何も写してはいなかった。

「な、奈々・・・?」

兄上もフェイも驚いているらしい。

「奈々??今の私は奈々であって奈々ではない。」

虚ろな目をした奈々は人形のようだった。

「奈々!どうしたんだよ!」

「私が知っているのは・・・もう一人の奈々がお前達のせいで傷ついたという事だけ。」

俺は苦しかった。

いつも笑ってくれる彼女が今では別人でそうさせたのは自分達で・・・

でも、なんて言ってあげればいいのかわからない。

「奈々。いつもの君に戻って・・・」

「フェルナンド。貴様等は何も分かっていない。奈々はな・・・普段は笑っているが裏では苦しんでいたんだ。今回だってそうだ。奈々を異質だと言っていたではないか。奈々は泣いていたんだ。貴様等のせいでな!!ずっと泣きながらお前達の名前を呼んでいたんだぞ!!奈々を傷つけるのは許さない!!白の奈々に変わってお前達を殺す!!!」

そういった奈々の目はただの憎しみしか写っていなかった。

どうしてこうなったんだ・・・

いや、分かっていた。

全ては自分のせいなんだと。

ごめん。ごめんな。奈々!