彼女は理解している。


リンは猫である。
本来、猫は孤独を愛しわがままで自己中心的だと思われている。


しかし、それはルーティーン(規則的)な生活を何より大切にするためである。


自分は飼い主の元を飛び出し、自ら環境の変化を望んだ。

そんな自分に待っていたのは、本当の孤独と不安だった。
「みーくん」に守られていた、と 感じた瞬間だった。


外の世界では、あらゆる物や音が怖かった。
マッコイに会うまでは…



カイの不安は、自分のそれどころじゃあない。
なにせ時代が違うのだから。

だからこそ、ちょっかいをかけてきた。
孤独と思うのが、一番怖かったと感じるからだ。



一連のリンの行動は、敢えてのことだったのであった。