―自分がいなければ、傷つかない…… 夜中、お風呂場からカミソリを持ち出して、 ゆっくり、手首を伝わせる…… ―ツー…… と、血の伝る感触。 ―こんなもんか。普通。 痛みに強かった私は、この程度に思っていた。 もちろん、それくらいで死ねるわけなくて。 何回も、何回も繰り返す。 そのうち、手首じゃ足りなくなって だんだん腕に傷が移っていった。