=凪=

二人は、何が起きたのか、理解するのにしばし時間がかかった。


「平気か?」


頭の上から、ヒロ少年の声が聞こえる。


「いったーい」


小さい私は、少し強く打ったお尻をさすりながら、声の方に顔を向た。


そこには、心配そうに覗き込む、ヒロ少年の顔があった。


「落ちたみたいだな」


「落ちたみたいね」


やっと現実を理解した二人は、少し不安になった。



「立てるか?」


「うん、なんとか…」


「ゆっくりでいいぞ」


小さな私はその声に応え、そっと立ち上がった。