=凪=

私は、携帯の画面とにらめっこをする。


【お久しぶりです。
名取です。
覚えていらっしゃいますか?
飲み会からかなり時間が経ってしまいましたがお元気ですか?
あの時はお世話になりました】


そこまで打って続きが書けなくなってしまった……



「本当に送るの?」


「「送るの!!」


『またハモるぅ……』

迷う私の手から、菜津子が携帯を取った。


「それ、堅苦しくない?」

小さく聞く。


大丈夫と言いながら、二人が頭を合わせ、カタカタと数文字打って送られてしまった。


「「そーしん♪♪」」


『明るく言うな…明るく……』


私は落ち込む。