=凪=

彼を誘って行こうかなぁ。と自分の世界に入る菜津子。


その視線は、目の前にあるご馳走を、焦がしてしまう勢いだった。


「私は………」


そう言いかけたクルミが、言葉を変えて続けた。


「ねぇ、ナギは尾沼さんを誘ったら?いいメールの口実じゃない!」


その言葉に、一瞬ドキリとした。



……確かに、花火を見に行きたい。



『でも……』


「私が誘おうか?」


戸惑いを隠せない、私をからかうかのように菜津子が言う。



『か、勘弁してよ……』


思わず、顔に出てしまう。