=凪=

「聞いたわよ。ナギぃ。居たんだって?カッコイイ男が」


菜津子が、からかう。

「まったくぅ。私の知らないところでなにやってんだか……」


続けて言われた、その言葉に私は慌てた。


「せ、先輩だもん」


「単なるぅ?蓮もそう言ってたけど、怪しいよねぇ、クルミ」


その言葉に、クルミが頷く。


「違う!ちがうよ!!柳崎先輩は関係ないよ!!!」


『だって天敵だもん…』


そう、小さく付け加えて下を向いた。


クルミが本当にぃ?と言いながら、顔を覗き込みニコッと笑った。

「ちがうもん……ゼッタイ……」


私は、頬を膨らませ、そっぽを向いた。