=凪=

店員さんが行ってしまうと、待っていましたかのごとく二人の顔が近づいてきた。


「それで、ナギぃ…あんたは、どうしたいのよぉ」


真ん丸な眼(マナコ)を、クルクルさせてクルミが聞く。


「メールなんて、挨拶程度でいいんだよ。蓮はマメだから、返事は必ずくれるし、決して悪い奴じゃないよ」


私の目をじっと見つめて、菜津子が言う。


うん……と小さくなる私をみて、二人は悪戯っぽく顔を見合わせた。


「もしかして………あの、もう一人の人が気になるとか?!」


ごうを煮やして、クルミが聞く。


『…………えっ’』


「何てったっけ?ナギにちょっかい出してた人だよ……」