=凪=

仕事が終わってから、ゆっくり話せるからと言う理由で、この場所が選ばれたのだ。



「陸、まともな言葉になってないよ」


「だって、これ熱かったんだよ」


「まったくぅ‥陸ってば子供なんだから…ほら、青ノリ付いてるってば……」


そんなやり取りを見て、少し呆れるクルミ。

そして、仲の良い二人をとても羨ましく思った。



「私ね、どうしても柳崎さんと、二人きりで会いたかったの……」


クルミは、小さな声で、遠慮がちに話しを続けた。



「だってバレンタインには、会ってもらえたんでしょ?」



菜津子はそれを聞き逃さず問い掛けた。