=凪=

そこまで思い出したクルミは、頬杖をついた。



『花火の時も、陸さんと菜津子がいるからって、無理に誘って了解をもらった。



【皆で】の時は、会えるから、文句はなかったんだ。



会えた時の彼は、すごく優しくてドキドキした。



だから私は、メル友から早く彼女になろうと、彼好みの女の子を目指して努力してたんだ。



でも、彼のうしろにはいつもナギがいる……


彼自身もきっとそれを、意識していなかっただろう。



だから、気がつかない振りをずっとするしかなかったんだ。



そうするとこで、彼に少しでも近付けると思って……』