=凪=

パソコンに向かったクルミだが、心は仕事に集中していなかった。



ナギに会って、更に不安になる。



菜津子に言ったあの台詞……



心の中は、どう説明をしてよいかわからない。



まるで、靄(モヤ)がかかったような情況だった。




『とりあえず・・・』



『まずは……出会いからだね』



『って……その、きっかけを作ったのは菜津子だよな……』



手付かずの仕事を目の前に、クルミの思考は、そこになかった。



自分の過去を手繰り寄せるように、少しづつ整理しながら、思い出していった。