=凪=

クルミは、どんな小さなことでも友達に話しをして来た。



でも、ここ一番の話しは、誰にも言えず心の奥底にしまってしまう………



彼女には、そんな゙癖゙があったのだ。



「な、なつこ………」


掴まれた腕に、親友の熱い気持ちを感じる。


それは、二人が友達でよかったと思えた瞬間だった。



クルミの腕を取った菜津子も、大切な友達の苦しみを少しでも知ろうとしている。



そんな、女の友情だった。



「わかったよ……」



溜め息混じりに、そっと握られた手の上に、反対の手を乗せた。