=凪=

「なーに、怖い顔してんだよ。おぬ……」



先輩は、何か言いかけて一瞬止まった。



「レン君じゃなくて、がっかりか?」


顔を覗き込んでくる。


『なにも言い直さなくてもいいじゃない…』


相変わらず、一方的に喋る柳崎に、怪訝な顔を向ける。



「ほら♪そんな顔しないで、手を出せ」


急に右手を取られ、何かのせられた。



「な、なんですか?」

「こないだの……お礼とお見舞いだ!」


「えっ?」


「じゃぁな!おやすみ!!夜遊びもたいがいにしとけよ」



そう言って、先輩は夜の闇に駆けていった。