=凪=

菜津子とクルミは、手際よくお粥を作ってくれた。



「誰か来たんだ?」


冷蔵庫を覗き込みながら、菜津子が聞く。



「うん、尾沼さんが氷と果物を届けてくれたの……」


そう答えながら、お昼にあった出来事を思い出す。



「蓮、来たんだ……」


つぶやきように、菜津子が言う。



「尾沼さん、ひとりだったの?」

クルミの質問に、身体が硬直する。



「好きな女のとこだよ!」



菜津子のツッコミが入った。


そっかと答えるクルミ。


二人はまるで漫才のようだ。