=凪=

いつの間にか、足が氷の入った袋に当たっていた。



『あっ、氷もらったんだ・・・』


フワフワする感覚で、貰った荷物を片付けた。



「と、とにかく落ち着け、静樹……」



そう強く自分に言い聞かせ、ベッドに潜り込んだ。



深い深呼吸をひとつして、布団を頭までかぶった。



『大丈夫……先輩は来ないから……』



『大丈夫だから……』

『来ないから……』



『大丈夫だから……』


『………大じょぶ……だ……か……』



呪文のように、そう何度も唱えた。



いつの間にか深いような浅いような眠りについた。