＝凪＝

パタンとドアが閉まると、一気に気が抜けその場に座り込んでしまった。


『ビックリしたぁ。なんで尾沼さん？私、知らないうちにメールした？』



座り込んだ先にある買い物袋を見て、そんなことを思う。



『先輩??違う。たしか菜津子が連絡したって言ってたような……』



また熱が上がったような気がして、意識が絡まり縺れる。



『なんで来てくれたんだろ？』


思考があちこちに飛ぶ。


『あっ、でも尾沼さんが来たと言うことは先輩も来る？』


まるで妄想の世界をみるように、天井を見ていた。


足元に冷たい何かを感じ、フッと我に還った。