=凪=

「熱が有るときは氷で冷やして。特に、腋の下なんかがいいんだって!」



氷の入った袋を二つ渡された。



「あと、ビタミンも摂って!」



次は果物だ。



「あのぉ〜〜」


次から次に飛び出す品物に、嬉しさを感じた。



しかし、先に渡された氷の冷たさに耐えられなくなってきた。



「あっ、ごめんね」



やっと気がついてくれた尾沼は、袋に戻してくれた。



「突然、押しかけてごめんね。寝ている女の子の家に来るなんて、男として最低だよね」


落ち込んで下を向く尾沼さんを、何故か愛しいと思った。