=凪=

意を決して、ドアを開けた。



情けないパジャマ姿の自分の前に、不安げな顔の尾沼さんが、買い物袋を手に、そこにいた。



「ごめん」


小さい声で、そう言い言葉を続けた。



「僕、菜津子から、ナギちゃんが倒れたと聞いて、いてもたってもいられなくなって……」



一気に言って、尾沼さんは下を向き、真っ赤になっている。



「……あ゙、あ゙りがどうございまず」



後にも引けず、やっとの思いで、声をだすが濁ってしまった。


「熱があるんでしょ?だからさ!」


尾沼さんは、はい!はい!と荷物を渡す。