=凪=

ブンブンと頭を揺さ振り、その映像を打ち消した。



『違う………なんでこんな時に思い出すの・・』



気持ちを落ち着けたくて、近くにあった公園に入り、ブランコに腰をかけた。



携帯の画面を改めて見た。



【いつもお疲れ様。もうじき桜の季節だけど、夜はまだ寒いから暖かくするんだよ】



他愛もない内容に胸が熱くなる。



『私…贅沢だよね。こんな駄目な私を、良いと言ってくれる相手がいるのに、ふらふらと何してるんだろう』



また、脳裏に映像が走る。



『恋なんて嫌…私に、人を想う資格なんてないもの』


そう思い、空を仰いだ。