=凪=

行きより、怖さはなくなっていた。



『……どういうつもりなんだろう』



先輩にしがみつきながら、今日の出来事を、思い起こしていた。



『最近、バタバタしてたし、久しぶりに楽しかったなぁ』



『でも、先輩の本当の目的は何だったんだろう?』



『慣らし。とか言ってたけど、あんな事を突然聞いてきたりして……』



『もしかして、私って遊ばれてる?先輩と私の関係って?』



『まぁ昔から、いつも意味不明な柳崎先輩だけど……』



今日は、更に理解不能だったなと、ぎゅっと先輩にしがみつきながらそんなことを思った。