「おい、エイダ。どういうことだ!」


足元から何やら振動が伝わって来たと思ったら、ばたんという大きな音と共にナオトが凄まじい形相で執務室に入ってきた。

エイダはナオトに視線を向けずに、書類に筆を滑らせ続ける。


「何か用か、ナオト。それから私のことは"ヴァネッサ中佐"と呼ぶように」

「そんなのどうでもいいんだよ。何故俺を次の作戦から外したんだ!?」


仮にも自分の上司からの言葉を、どうでもいい呼ばわりした男はエイダの机に思い切り両手を叩きつけ、身を乗り出して抗議をしている。


「何で俺の小隊の奴らは全員、次の作戦に参加するのに俺だけ外れてんだよ!」