私の直接の先輩である美紀さんの、厳しいお説教を受けている現在。



蛇に睨まれた蛙のように、肩を竦めて申し訳なさそうにしていると…。




「まっ、指導はこれくらいにしておいて――

チョッと来てくれる?別口の話があるのよね」


「・・・え?」


「いいからー」


「はぁ・・・」


「朝から生ぬるい返事しないでよ」


怒りのボルテージを急降下させた彼女に手招きされ、2人で給湯室へと向かう事に…。




美紀さんの話に耳を傾けつつも、傍らでは彼のオーラを探っていた私だけど。



いつも漂う筈の威圧感どころか、肝心の輝の姿は課長席には無かった・・・





「鈴ちゃん、ありがとね」


「え、何がですか?」


給湯室に到着した途端、対峙する私にニッコリ笑い掛けてくる美紀さん。



おバカな私は当然ながら、突拍子もない言葉に首を傾げてしまう。