今日の居残りが“貴方と私だけ”だというシルシ…―― 「鈴、お先に失礼するね!」 「うん、お疲れさまー」 セミロングの髪を今日も揺らしつつ、足早に退社した涼子。 そんな彼女を視線だけで見送って、再び電卓を叩き始めた。 輝のコトを洗い浚い話してから、残業を手伝おうか?とは聞かなくなった。 合図までは教えていないけど、勘が鋭いし気づいたのかな? こうして社内に応援してくれる子がいると、本当に心強いと思う。 どうしても涼子は、輝のコトは相容れないらしいけど…。