分厚くて、重くて、シルシの付箋が挟まるモノ・・・
「ッ…、かしこまりました」
その総勘定元帳を受け取ろうとすれば、人知れず指をキュッと絡められる。
ソレの下で隠れているから、周りには絶対に見えない。
分かっていてする輝は、本当に相当な確信犯だよ・・・
「それじゃ、宜しく――」
「はい…」
最後にフッと一笑したあと、コツコツと革靴音を立て戻っていく彼。
ドキドキしたまま、重いソレに挟まっている付箋のページをぺラッと捲れば。
【我慢の限界、今日も残業頼むよ…?】
「ッ――!」
グルグル駆け巡る疑問が不安で、私の方がいい加減に我慢も限界なの。
コレを取り除いてくれるのは、輝だけでしょう――?

