大至急と言われて、託された資料だというのに。
なんでこの人が、大丈夫って言い切るワケ・・・?
「何で、大丈夫なんですか…?」
尋ねようとして顔を上げれば、割と近距離の位置で視線がぶつかった。
見たコトない人だけど…、輝くらいイケメンさんかもね・・・
「だって俺、その会議に出席するし」
「・・・は?」
集めた資料を床面でトントンと、綺麗に揃えている彼に眼を見開く私。
「いや、今日の議題知ってるでしょ?
だから、俺は…」
「鈴ちゃん、何やってるの!?
全然帰ってこないから、心配して来てみれば…」
「・・・っ」
後方で響くお怒りモードの声は、言わずもがな手厳しい美紀さんで。
ゆっくり、恐る恐る振り向こうとすれば・・・
「美紀・・・」
「…え、と、朋樹(トモキ)…」
ポツリと呟かれた2人の名前が、なぜだか私の身体を硬直させたの・・・

