アイ・マイ上司とlove☆days



広くて温かい胸と、頭を撫でてくれる大きな手。



ふわりと鼻腔を掠めていく、オリエンタルな色っぽい香り。



いつでも優しくて、ベタベタに甘やかせてくれるオトナの彼。




オマケにアマイ言葉まで貰えた私は、もう無敵だよ…――




そんな事を思い浮かべながら、急ぎ足で向かっていると。





「危ない!」


「えっ?」


後ろから慌てた声が聞こえて、振り向きかけた、その瞬間。



バサバサ――!

豪快な音とともに、ズシリと腕に掛かっていた重みが無くなった。




「わっ、うそー!」


慌てて床面を見れば、見事に散らばってしまったレジメの海。




すぐさま私は、座り込むと膝を床につけて資料を集め始めた。